2013年8月31日土曜日

レンタルサーバか自社サーバどちらを使うのか

社長にレンタルサーバを使わない理由を聞かれたのでまとめます。

別に嫌いだから使わない訳じゃなくて必要性に合わせて使うことがないだけなのですが。

ここでは個人的なレンタルサーバのメリット、デメリットを書いていきます。

超小規模個人IT屋の極々個人的な意見で、実際に運用するWebサービスによってほとんどケース・バイ・ケースなので悪しからず。

 

レンタルサーバのメリット

レンタルサーバは比較的低負荷なサービスに用いることが多いと思います。

・Wordpress等のブログエンジンを使ったオフィシャルブログ(月間100万PV程度)

・画像、動画等のコンテンツサーバ

・feedクローラプログラム

など、ほとんどサーバスペックを必要としないサービスであれば月額980円程度のVPSレンタルサーバでも十分実用可能です。

2chまとめサイト等最近増えていますが、ああいう用途にも良さそうです。月間1億PVとかになるとスタンドアロンじゃ無理ですが。

 

・初期コストが安い

小規模なシステムなら月額980円程度のVPSで十分です。

サーバを買う初期費用もなく、ネットワーク回線もあり、電気代も月額料金に含まれます。

 

・耐障害性が高い

レンタルサーバではサーバスペックに目が行きがちですが、ネットワーク帯域を別回線として確保できるのがかなり大きです。

自社サーバと合わせて死活監視にも使えますし、自社サーバ障害時はレンタルサーバでホットスタンバイしておけばサービス稼働率を高く保てます。

レンタルサーバプロバイダによってはデータの耐障害性も自社サーバよりよっぽど高いものも多いでしょう。

スタンドアロンでありながらVPSならハードが壊れても問題なくサービスは継続します。

 

・デメリットが減ってきている

最近ではVPSサーバの台頭により、サーバのOSまるごといじれるレンタルサーバサービスが増えています。

以前はPHPのバージョンが古かったりデータベースはMySQLのみでデータベース数が限られているということもありましたが、その心配もなくなり様々な用途に使用できます。

 

レンタルサーバのデメリット

これも運用するサービスによりことなりますが、共通して言えるのがWANだと言うことです。開発時に割りと手間をとることが多くなります。セキュリティについてもLANより強固にしなければなりません。

 

・サーバが手元に無い

サーバが手元にないとなにかと不便で、レンタルサーバ上のOSのを入れかえようと思ったらデータをすべてネットワーク越しにバックアップして、OSのISOをVPSに送ってtelnetでインストールして…と気軽にいじくるには少々時間がかかります。

開発時にはFTPかsambaを使えればソース反映はなにかと便利ですが(EclipseかNetBeansを使っているので)、ネットワーク帯域やセキュリティの問題が出てきます。しかしこの辺はgitなりクラウドサービスを使えばある程度はカバーできますね。

 

・開発時に不便

開発はローカルでやってしまえばいいと言えばそれまでですが、実環境で動かしてみないとわからないことも多いわけで、自社サーバと同等の開発環境になるかと言えばそうではないと思います。

レンタルサーバへは常にWAN越しになり、SSH、FTP等で常々つなぐことになります。IDEを使っているとFTPクライアントを入れたり、セキュリティの為ハッシュを生成したりキーを変えたりとLANよりは、遥かに手間が増えます。

一度、レンタルサーバに合わせた開発環境を構築していまえば以後は楽になると思いますが、手間です。

 

・なんといってもサーバスペック

メリットで上げた程度のサービスならCPU2コア、メモリ512MB、ディスク10GBもあれば十分ですが、少し複雑なデータベース構成にしようと思ったら一気にスペックが足りなくなります。

現在、私が運用しているシステムはデータ件数1000万件以上、MySQLバイナリで40GB以上、CPUは8コア3Ghzでメモリ24GBのシステムがあります。ほとんどの時間帯すべてでこれらのリソースを常に使用しています。

これをレンタルサーバで行おうと思ったら初期費用8万円、月額9000円程度になります。上記システムの動かしているサーバは自作で、5万もかかっていません。電気代は月3000~6000円といったところでしょうか。

どうしても高負荷になるサービスをレンタルサーバで行おうと思ったら管理費が高くなるのです。

レンタルサーバにはネットワーク帯域と耐障害性という強みを持っていますが、正しいバックアップ運用とシステムとネットワークの多重化をしていれば運用上問題ない耐障害性は作れます。

 

・結局自社サーバで事足りてしまう。

自社サーバが複数台あればバーチャルホストで低負荷なサービスは量産できますし、運用コストも安く開発もやりやすいです。

課金システムを含むサービスや個人情報を含むサービス等、絶対にデータ紛失を行なっては行けない場合はネットワーク多重化、UPSの導入等考えるとレンタルサーバを複数台借りて運用した方が安上がりになるでしょう。

 

 

以上の事で私がレンタルサーバを使う機会が少いです。(他にもメリットデメリットあった気がするけど思い出せない)

もちろん必要性と開発、運用コストに合わせて今後レンタルサーバなりAmazon EC2なりGoogle App Engineなり使うこともあるとおもいます。

現時点では自社サーバで開発、運用するのが一番楽です。


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